見えない・見えにくい状態となると、白杖や遮光眼鏡、単眼鏡などいろいろな道具を使うようになります。全く使わずにいる方もいるかもしれませんが、道具により楽になることも多いでしょう。ただ、デザインが好みでない場合、使いたいという気持ちにはなかなかならないこともあります。
私自身、遮光眼鏡を購入する際に、眼鏡屋に陳列された眼鏡がいかにも補助具という風体で、使いたくなるようなデザインでなかったため、フレーム選びからこだわったことを思い出します。近年、視覚補助具としてもスマートフォンは普及しました。とても機能的で見た目も一般化しており、使用に抵抗感は非常に少ないのかもしれません。ですが、私にとってはお気に入りの「私の至高の逸品」とは思えないのです。
時々、自作キーボードというジャンルの物作りの動画を見ます。3Dプリンタも駆使しながら、見た目や機能、感触、音など多くのこだわりを発揮し、わくわくさせてくれます。東京大学名誉教授で情報科学者である和田英一さんは、「馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインターフェースである。」と話しています。キーボードは馬の鞍のようにパソコンが変わっても、自分につれ添ってくれる逸品だと例えています。
一方で「弘法筆を選ばず」と本当に腕のいい人は道具にこだわらないという視点もあります。どんな道具も高い水準で使いこなすことができることは素晴らしいですが、こだわりの逸品によって心から最高のパフォーマンスを発揮できることもまた素晴らしいことではないかと私は考えています。
みなさんは心がワクワクするような道具、こだわりの逸品がありますか?お互いのこだわりを語り合い、少し世界を広げてみるのも面白いですよ。

東京都立文京盲学校