「AI等の技術進展の時代における、職業準備性の大切さ」
進路指導部主任 大野 哲也
早いもので、今年も残すところ約1週間となりました。ようやく真冬を予感させる寒さがやってきましたが、今年は夏の記録ずくめの猛暑が9月いっぱい続き、その後も平年より約2度も平均気温の高い日が続きました。そのような中を、普通科は2・3年生の実習を中心に、専攻科は夏季見学・実習を中心に、校外での進路活動に取り組んできました。まさに「夏の暑さにも負けず」が秋まで続いた中で産業現場での貴重な経験を積みました。
さて、世の中の変化は年々加速度的に早まっているようにも感じていますが、先日一読する機会のあった資料「AI等の技術進展に伴う障害者の職域変化等に関する調査研究」(障害者職業総合センター 調査研究報告書 No.177)から、私たちが今一度大切にすべきことについて、限られた中ですが、述べさせていただきます。当該調査研究は、2021年現在、障害者雇用をしている一般企業及び特例子会社への、「障害者が従事している業務状況」「AI等の技術進展に伴う影響等」についてアンケート調査を行い考察したものです。そこから見えてきたこととして、「デジタル関連業務に、すでに多くの障害者が従事している」ことと、新たなデジタル技術の導入により「障害者の作業の効率性・正確性の向上」や「これまで健常者が従事してきた業務を障害者が従事できるようになった」などの状況がありました。やはり、いわゆる「紙を扱う事務系作業」はデジタル化により減少傾向が進んでいます。
調査の総括では、「採用と人材育成」に関して以下のまとめに、私たち学校現場にとって再確認すべき内容が示唆されています。すなわち、「企業は採用時に職業準備性を重視している」「業務に必要な知識・スキルは就職後に習得可能だが、それらを吸収するために基礎的な能力や意欲、周囲との協調性を重視する」ことです。
下図の職業準備性ピラミッドのうち、健康管理と日常生活管理を土台として、就職の段階では、基本的対人技能や職場での基本的習慣が重要であることは、AI時代でも変わらないどころか、ますます重視されているのです。これらの力こそ、学校や家庭で身に付けていくことが求められています。
9月からの各科の様子をお伝えします。
<普通科>
【第1学年】
1年生にとって初めての体育祭がありました。予行の綱引きで負けた白組が敗因を分析したり、50m走では隣のレーンの走者と張り合ったりするなど、勝負にこだわる姿が見られました。一方、「洗濯機の気持ち」などの種目では、皆で協力して走り、大声で声援を送り続けるなど、すべてに全力で楽しんでいた様子でした。
移動教室では、夜レクやバスレクで大いに盛り上がりました。クイズやゲーム、カラオケ大会など、全員が参加し常に、和気あいあいとしたムードでした。企画してくれた委員の皆に感謝です。
【第2学年】
12月4日(水)から6日(金)まで名古屋方面に修学旅行に行ってきました。名古屋港水族館ではシャチのトレーニングの迫力に驚き、明治村ではSLに乗車したり、東京盲学校の車寄せに触れたり、名古屋城では石垣に彫られたマークの謎を知りました。味噌カツ、きしめんなど、名古屋の味も堪能して、学びとワクワクいっぱいの3日間を過ごしました。
【第3学年】
2月に、総合的な探究の時間で調べた内容を他の学年に向けて発表する機会があり、その準備を学年で取り組んでいます。運動グループと音楽グループに分かれて、各自、聞き手を飽きさせない発表の仕方を工夫しています。実演を取り入れたり、興味・関心の高そうな情報を盛り込んだりして、アイディアを具体的にしているところです。
文責:橋本
<専攻科>
11月から2年生は地域の患者様を対象にした臨床実習を開始しました。教員指導の下ですが、今まで学習した知識や技術を活用し実際に症状のある方へ施術をします。実習開始当初はとても緊張していましたが、実習の経験を積むにつれ緊張も徐々に和らぎ、実習の成果や課題点を考えられるようになってきています。2年生の一生懸命頑張る様子をみて、1年生も学習に励んでいます。3年生は模擬試験で経験を積み最後の調整に入っています。2月の国家試験まであと58日となりました。目標達成に向けて、冬季休業期間を有意義に過ごしてください。
文責:伊藤光
<寄宿舎>
12月16日(月)に「ウィンターパーティー2024」と題して、運営委員会主催行事を実施しました。得意なことを発表するスタイルでの開催でしたが、歌やダンス、ピアノでの弾き語り、クイズなど様々なパフォーマンスが披露されました。欠席だった舎生も事前に撮影した動画で参加することができ、みんなで楽しい一時を過ごすことができました。発表がメインの行事ではありますが、発表している友達に暖かい声援を送ったり、事前準備で装飾作りや看板の作成を協力して取り組んだりと、当日に向けて一体感が高まっていくのを実感できた行事となりました。司会進行や挨拶、内容の検討など皆で楽しめるように話し合いを進めてきた運営委員さんに拍手です!
12月17・18日の夕食ではシャッフルを実施しました。舎生からのリクエストを運営委員会で話し合い、開催が決まった取り組みです。普段とは異なる食事席で会話やBGMなど楽しい雰囲気の中食事をすることができました。今後も舎生の要望や発想を大切にして、充実した寄宿舎生活にしていきたいと考えています。
文責:宇山