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昴 第8号 令和4年11月25日

「盲導犬」

 指導教諭 佐藤 世津子

 以前、文京盲学校には盲導犬を使用している生徒、教員がいました。案内は登下校時だけなので、教員が連れている盲導犬の日中の居場所は職員室の机の下。ほとんど寝ていましたが、時々遊びたそうに他の教員を見たり、聞くところによると会議等で誰もいなくなると職員室を歩き回っていたりしたそうです。
 1939(昭和14)年、傷痍軍人の社会復帰のためにドイツの盲導犬学校から輸入した4頭のシェパード犬が日本で初めての盲導犬です。さらに日本で訓練した盲導犬二世のなかには太平洋戦争後まで活躍した盲導犬もいました。
 家庭犬の訓練士であった塩屋賢一氏は「もっと社会の役に立つことがしたい」と海外の書籍をもとに独自の訓練法を編み出し、1949(昭和24)年ころまでに当時飼っていたシェパードの「アスター」と盲導犬の訓練法を確立しました。始めは視覚障害者が必要とすることを知るために目隠しをして生活し、そのままアスターと街を歩き訓練しました。看板に頭をぶつけたり、車に轢かれそうになったりすることもしばしばだったといいます。1956(昭和31)年塩屋氏は盲学校教員の河相冽(きよし)氏の依頼でシェパードの「チャンピィ」を盲導犬にする訓練を始めました。主人の命令に従う「服従訓練」、街を歩く「歩行訓練」、危険な時には主人の命令を聞かない「不服従訓練」など様々なものがあります。盲導犬の訓練を受けたチャンピィは河相氏と歩行指導をし、「1.5キロ先の郵便局まで切手を買いに行く」という最終試験をクリアし、盲導犬としてデビューしました。日本式訓練による盲導犬第1号です。
 盲導犬はハーネスを付けているときは「お仕事中」なので、主人のいうことだけを聞きます。他の人は声をかけたり、なでたりしてはいけません。ハーネスを外したら「普通の犬」なので、遊んだりします。餌や体のケアをするのは主人の仕事です。他の人がやってはいけないのだといいます。そのことから関係を築いていくのです。よく、盲導犬がいればどこへでも行けると勘違いしがちですが、犬が道を知っているのではありません。主人が覚えて犬に道を指示するのです。盲導犬をもらうには4週間の泊まり込みの訓練が必要です。寝食を共にし、訓練と絆を深めます。盲導犬ユーザーに初めてなった方が、「歩きながら他のことを考えられるようになった」とおっしゃっていたのを聞いたことがあります。神経をすり減らす白杖歩行から少し解放されるようです。
 
※参考文献 『日本最初の盲導犬』(葉山太郎著 株式会社文藝春秋)(図書室)
      『盲導犬チャンピィ』(桑原崇寿著 ハート出版)(図書室)
      アイメイト協会HP

<専攻科>   ~患者実習~

 専攻科は2年生の後期から患者実習が始まります。2学年の前期までに学習したあん摩実技、医療面接、診察技術等を駆使し、患者施術に臨みます。患者施術は、今まで学習を積み重ねてきた成果を発揮する場です。患者様の病態に合わせた施術ができるようになるまでには経験が必要となります。一人一人の患者様に寄り添った施術を心掛け、日々の実習を振り返り、課題解決に向けた取組を行うことが大切です。
 患者実習が生徒の主体的な学習の場となるよう専攻科教員一丸となって取組んでいきますので、生徒のみなさんも体調管理に留意し、頑張っていきましょう。
 11月にもなると3年生は教員の指示がなくとも、一人で患者実習を行えるようになります。2年生のみなさんは、そんな3年生の背中を見て成長してほしいと思います。1年生は患者実習を目指し、休むことなく基礎学習に励みましょう。  文責:伊藤よ

 

<寄宿舎>   ~秋フェス~

 11月14日(月)に秋フェスと題して運営委員会主催の取組を行いました。今回は、事前に行った個人戦と当日に行ったチーム戦の合計得点を競いました。
 事前の取組は、お馴染みの「シェイクシェイクGOGO」を行いました。20秒間で万歩計を振った回数が得点となります。全チーム500点を超えていましたが、トップのチームでも535点と僅かな差で当日を迎えました。当日の取組は音あてやイントロ、歌詞あて、クイズを行いました。難しい問題もありましたが、チームで協力して回答していました。事前の取組からトップの座を明け渡さなかったチームが1位に輝き、景品として「食事の時に流せる音楽の選曲券」が渡されました。
 運営委員会では「みんなが楽しめる会を企画しよう」を合言葉に話し合いをしてきました。残念ながら2名の運営委員がお休みでしたが、二人の思いを引き継いだ運営委員さんが協力して会を盛り上げてくれました。  文責:宇山
 

<生活指導部>   ~体育祭~

 『私たちは~!待ってました~!!』と応援団長の宣誓で始まった体育祭。前回がコロナウイルス感染症の影響で普通科のみの文京スポーツデイとなり、普通科、専攻科で行う体育祭は実に4年ぶりとなりました。予行では天候の影響で思うように活動ができませんでしたが、10月21日(金)の本番では暑いくらいの晴天の中、全12種目10競技を予定通り実施することができました。各種目5月から準備を進め、特に応援団に関しては練習する度に熱が入り、昼休み、放課後、最終週には朝練まで行うほどでした。PTA会長の講評でもあったように、本番でも練習の成果を発揮し、甲乙つけがたいユーモア溢れる発表となりました。また、生徒席を覗くと専攻科の生徒が普通科の生徒に話し掛け、和気あいあいと話している姿も普段見られない光景で、とてもよい表情をしていました。保護者の皆様も御参加くださりありがとうございました。次回は2年後に開催できることを期待します。  文責:檜垣

 

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