学部主幹 伊藤 洋介
毎週金曜日の朝、玄関前で生徒登校時の検温を担当しています。
生徒は8時30分までに登校することになっています。正面玄関が開錠されるのは7時50分からで、早く登校する生徒は玄関の前で待っています。扉を開けると、生徒は「おはようございます」と挨拶をしてくれます。私もその声を聞き、「おはようございます」と挨拶を返します。
登校してくる生徒一人一人に声を掛け検温をしていると、その人の個性がみえてきます。試験結果に一喜一憂する生徒、遅くまで試験勉強をしたことで眠そうな生徒、週末の金曜日で疲れている生徒、昨日の部活について教えてくれる生徒等、数秒の会話ですが、生徒との対話を大切にしています。
朝の挨拶が気持ちよくできる人は、いつでも、どこでも、誰とでも、適切な意思疎通ができる人であると思います。挨拶の「挨」には、相手の心を開くという意味があり、挨拶の「拶」には、相手の心に近づくという意味があるそうです。「おはようございます」というたった9文字を発するだけですが、そのたった9文字で相手を幸せにし、自分自身の気持ちも豊かにしてくれます。
「おはようございます」は生きる力、主体的に学ぶ力の第一歩ではないでしょうか。
6月のある日、玄関に設置してある自動販売機の横に芍薬(しゃくやく)が一輪生けられていることに気が付きました。芍薬は漢方薬に用いる生薬の一つです。鎮痛、鎮静作用、痙攣や炎症を抑え、婦人科疾患にも使用されます。花言葉は「慎ましさ」です。本校の教育目標の一つに「人権尊重の理念に基づき、一人一人を大切にした温かな教育を推進する学校」を掲げています。文京盲学校の生徒一人一人が、社会や地域と向き合い、関わり合い、自らの人生を切り開いていくためには、相手を理解し尊重し、自分から行動を起こすことが大切だと考えます。
すらりと長く伸びた茎に、きれいな花を咲かせる芍薬。日々、芍薬のように背筋を伸ばし、誰に対しても自然と気持ちのよい挨拶ができるよう、温かな教育活動ができるよう教職員一同一丸となって取り組んでまいりますので、今後とも保護者、地域のみなさま方の御支援と御指導を賜りますようお願い申し上げます。
普通科では、国語の学習で新年度最初に取り組む課題は、校内弁論大会に向けての原稿を書くことです。各生徒が、自分でテーマを選び、文章を推敲しながら書いていきます。自分の課題について書く生徒もいれば、自分の好きなものを極限までアピールする内容を書く生徒もいます。その後、発表の練習を経て、文章の一部を書き換えたり、タイトルを熟考の末に変更したりする生徒もいました。そして、学年弁論大会で選ばれた代表者が、校内弁論大会に出場することになります。
5月26日(木)、校内弁論大会が久しぶりに体育館で行われました。各科から各学年の代表者6名が参加し、自分たちなりの言葉で発表することができました。お互いの行き来があまりない中、他学科生の発表を聞き、その人の考えを知るよい機会になりました。大会自体も、大変盛り上がり、聴衆の皆さんがしっかり聞いている姿が印象的でした。今回校内弁論大会で優勝した生徒は、学校代表として関東甲信越地区盲学校弁論大会に出場します。今年もオンラインでの実施となりますが、精一杯頑張ってくれることを期待しています。 文責:鈴木
今年度、寄宿舎は新入舎生5名を迎え、28名の舎生で生活をしています。
4月11日に実施した入舎式は、2年ぶりに全舎生を対象にして行うことができました。間隔をとるために初めて体育館で実施したり、呼名をして泊曜日を伝える形での自己紹介だったりと、新しいスタイルの試みでしたが一人一人の個性が光る入舎式となりました。また、今年度からの新たな日課として「ミーティング」を夕食前に行っています。感染対策で中止していた「朝の会・夜の会」の意義や実施方法について再検討しました。一緒に生活する友達に意識を向けたり、集団生活に必要な連絡をしたりする中で連帯感を養っていける機会となるようにしていきます。
引き続き感染対策は必要となりますが、その中でもできることに意識を向け、充実した寄宿舎生活になるよう工夫していきます。舎友会(自治会)運営委員4名が中心となり、どのような集団になるのか、とても楽しみです。 文責:宇山
昨年度に引き続き次のような感染症対策を行っています。校内は抗菌抗ウィルスワックスで処理をし、換気を徹底すると共に、日中はボランティアさんと技能主事が、放課後(寄宿舎では登校後)は毎日職員が校内(舎内)を消毒しています。授業では共用の教材やベッドなどの消毒と使用前後の手指消毒を徹底し、体育では器具を使用する前後も手指消毒を行い、臨床実習では保護メガネを着用し医療面接や施術を行なっています。寄宿舎では、三密回避の生活を意識し、入浴人数の調整などを継続しています。また食堂での感染症リスクの軽減のため、対面しないような座席配置と食堂外への給食の持ち出しを行い、各テーブルの消毒を続けています。 保健室では体調不良者は個室で対応し、濃厚接触者や感染者が出た際は保健所や学校医と相談し指示のもと対応しています。少しでも体調が優れない時は無理をせず、自宅で休養するようにしてください。 文責:松村
※補足 お世話になったボランティアさんは6月13日まで2年間、週3日来校していました。6月22日の週からは技能主事のみです。
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03(3811)5714
(特別支援教育コーディネーターまたは副校長)