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第10号 令和4年1月28日

学校便り 「昴(すばる)」
令和4年1月28日 第10号 通算第70号
東京都立文京盲学校 校長 木村利男

[設置学科]
普通科(高等学校に準ずる教育等)
専攻科(保健理療科・理療科)

「新しい年を迎えて」

副校長 近藤 美紀

 謹んで 新年のお慶びを申し上げます。
 令和になり3回目の新年となる「寅年」。虎のような勢いで駆け抜けて、コロナを追い払う1年になることを願っておりますが、オミクロン株の感染が急速に進んでいます。これまでどおりの感染症対策を徹底して行うとともに、少しでも体調に不安の時は、早めの休養と医療機関の受診を心掛けて、健康な一年となりますように、気を付けていきましょう。
 さて、令和4年4月1日から、成年年齢が現行の20歳から18歳に引き下げられます。明治時代から今日まで、日本の成年年齢は20歳と民法で定められていました。この民法の一部が改正され、令和4年4月1日から、成年年齢が18歳にかわります。これによって、令和4年4月1日以降に18歳、19歳の方は、新成人となります。
 成年に達すると、未成年の時と何が変わるのでしょうか?
 民法が定めている成年年齢は「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになります。例えば、携帯電話を契約する、クレジットカードを作る、高額な商品を購入したときにローンを組むといったとき、未成年では親の同意が必要です。成年に達すると、親の同意がなくても、こうした契約が自分一人でできるようになります。また、親権に服さなくなるため、自分の住む場所、進学や就職などの進路なども、自分の意思で決定できるようになります。また、女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられ、結婚できるのは男女とも18歳以上となります。18歳19歳で成人となっても、飲酒や喫煙、公営競技(競馬や競輪など)は健康面への影響や非行防止、青少年等の保護の観点から、現状維持の20歳からです。「やったあ、今日から成人だ!!」と18歳や19歳でお酒を飲んだり煙草を吸ったりしてはいけませんので、十分御注意下さい。
 成人するということは、社会で一人の大人として生きていくということです。特に普通科の皆さんは、社会で一人の大人として生きていくための力を身に付ける準備をしています。成人するということは、自分の行いを、自分自身で責任をとるということが増えることでもあります。成人される皆さんには、自身の言動に責任がもてる大人になってほしいと願います。
「新成人の皆さん、成人おめでとうございます。」

<普通科> 不易と流行・家庭総合の体験学習

 今年度も感染症の状況を見計らいながら、様々な体験学習を企画実施しています。5歳児との交流には隣接するテンダーラビング保育園見学や後楽幼稚園に伺わせていただきました。またこの1年間で、(1)南米コロンビアの指組紐体験、(2)日本江戸の伝統工芸の組紐、(3)生け花、(4)環境学習(SDGs)等の分野で地域の専門家を外部講師として学校にお招きしています。
 入学当初は、教員以外の大人とのやりとりに緊張していた生徒が、次第に意欲的積極的な姿勢を見せるようになりました。このような時代だからこそ、リアルに人と人がつながる学習機会を可能な限り設定し、地域社会とのつながりや、教室や教科書にとどまらず、新たなことを知ったり、挑戦したり、自分の中に新しい才能を見出したり、感動したり、周りの人に感謝したりし、頭と手と心を動かす体験を積み重ねながら、成長しています。多方面から支えてくださる皆様に感謝申し上げます。  文責 石田                      

<寄宿舎>

 寄宿舎で学年を縦割りにした小集団に分かれて活動する取り組み、「青年期1」「青年期2」の活動を紹介します。他学年との月1~2回の交流の場として親しまれています。回毎に、感覚やコミュニケーションなど、テーマを決めて様々な活動をしています。
青年期活動1では、バスボム(入浴剤)に好きな色や香り付けをして感触を楽しみながら丸めて作り、次の活動でお湯に入れて発泡と香りを感じながら足を温める体験をしました。
 青年期2では、坊主めくりやテーマトークをしました。坊主めくりでは、あがり直前に坊主をめくった友達の悲運に盛り上がったり、テーマトークでは「ごめんなさいがいえますか?」というお題の回答に共感しあったりして、親交を深めました。  文責 櫛田

<研究研修部>当事者の声に学ぶ ~特別支援教育研修会連続講座を実施~

 研究研修部は、教員の専門性維持向上を図る部署です。本年度から新たに企画実施している視覚障害教育研修会について、御紹介いたします。(HPも御参照ください。
 本研修会では、オンラインで全国から参加者を募り、3回連続の講座として実施しました。 テーマは「視覚障害者と点字の現在」とし、点字を使用している本校職員を講師として、点字との関わりや点字への思いを対談形式で行いました。
 第1回は「点字と私」のテーマで、点字使用歴の長い二人の教員が講師です。両手を使った点字の読み書きの実演、点字表示端末を活用する一方で、紙に印刷した点字の大切さ、文字をもつことの意義等、当事者ならではの説得力のある話でした。
 第2回は「中途失明と点字」をテーマに、墨字から点字使用に切り替え、現在点字を活用している二人の教員が講師です。最初は思うような速度で学習できなかったこと、慣れてからは目が疲れることなく文字が読めることに喜びを感じたこと、嫌いだった読書が好きになったこと、音声との併用など、点字との様々な関わりについて自身の経験を踏まえた話でした。
 オンラインでの実施は、遠隔地の方も参加しやすいというメリットがあり、各回とも50名以上の参加がありました。私も初期からの点字ユーザーですが、様々な話に触れ、大変学びの深い時間となりました。最終回は「私の文字処理法」をテーマに2月4日(金)に実施いたします。この会が校内外の点字指導等、いろいろな場面での参考になればうれしく思います。  文責 有馬                               

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03(3811)5714
(特別支援教育コーディネーターまたは副校長)

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電話 : 03-3811-5714 ファクシミリ : 03-3812-3446
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