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第8号 令和3年11月26日

学校便り 「昴(すばる)」
令和3年11月26日 第8号 通算第68号
東京都立文京盲学校 校長 木村利男

[設置学科]
普通科(高等学校に準ずる教育等)
専攻科(保健理療科・理療科)

点字の日

指導教諭 佐藤 世津子

  11月1日は点字の日です。日本の点字が制定されたことを記念する日です。
 点字ができるまでは凸字といって、浮き上がった普通の文字を指でたどって読んでいました。この文字では、速く読むことや自分で書くことができませんでした。点字は初めフランスの軍人バルビエにより、戦場の暗闇でも読める文字としてつくられました。フランスのルイ・ブライユはこれを改良し1824年に今の点字をつくりました。凸字に比べ、速く読め、また、点字器も作られたので書くこともできるようになりました。
 日本の点字は1890年に決まりました。東京盲啞学校(現在の筑波大学附属視覚特別支援学校)の先生と生徒が、ルイ・ブライユの点字をもとにいくつかの案を考えました。何回か研究会を行い、1890年の11月1日に石川倉次の案に決まりました。ルイ・ブライユもそうですが、東京盲啞学校の先生と生徒自身が一緒になっていろいろな案を考えたというところが素晴らしいと思います。
 今、点字の教科書は普通文字の教科書と同じようにありますが、昔はなかったと元専攻科教員の渡辺勇喜三氏から伺ったことがあります。墨字の教科書を読んでもらって生徒が点訳したり、点字の教科書を代々引き継いで使いまわしたり、使いまわした点字の教科書を生徒が写したりしていたようです。それはそれは大変な労力であったと思います。普通文字の教科書はあるのに、点字の教科書がないのはおかしいと当時(1955(昭和30)年)の盲学校高等部の生徒が立ち上がり、全国の盲学校に呼び掛け(全点協(全国盲学校生徒点字教科書問題改善促進協議会))、国に対して要請行動を行い、点字の教科書が皆に配られることになったそうです。現在、小中学部の点字教科書は文部科学省の著作で、盲学校や関係機関の先生たちが編集作業をしています。高等学校の点字教科書はいくつかの点字出版所が製作しています。
 先人たちのはかりしれない苦労により点字や点字教科書ができました。この2つは盲学校の教員や生徒の力により実現しました。困っている当事者が声をあげ、考えて行動を起こして現実のものになったことがすごいと思います。仕方がないと諦めるのではなく、当事者が声を出し訴え続けることが実現の原動力になるように思います。(参考文献:「点字はじめの一歩 (1)点字のれきし」黒﨑惠津子著)

<普通科>

 11月17日、1・2年生は、校外学習でムーミンバレーパークに行ってきました。コロナ禍で様々な行事が中止となってきた中、久しぶりに行う大きな学校行事でした。当日は天候にも恵まれ、美しい湖の側に作られたパークを散策する姿は、さながらムーミンの話が生まれた北欧にいるかのようなでした。生徒達はグループ毎に考えたスケジュールをもとに、ワークショップ、アトラクション、食事等を楽しみました。短い時間でしたが、普段できない体験をしたり、集団行動の大切さを学んだりすることができました。コロナ禍での教育活動はこれからも続きますが、感染症対策を行い、創意工夫をしながら、様々な行事を実施していければと思います。  文責:工藤 克明

<専攻科>

 11月11日(木)に保健理療科3年生による臨床発表会(公開カンファレンス)が行われました。6名の生徒が担当患者について施術の工夫点や患者理解の難しさ等について話をしました。生徒、教員を交えて活発な質疑応答が行われ対話的な深い学びの時間となりました。保健理療科1・2年生も参加し、3年生の話す専門用語に圧倒されながらも必死に内容を理解しようとする姿勢がみられました。3年生にとっては理論的に話すことや表現力を磨く良い機会となり、1・2年生にとっては近い将来、自分も臨床実習を行っていくためのよい刺激になったのではと思います。患者様を笑顔にできるよう日々練習をしていきましょう。  文責:伊藤 洋介

<生活指導部>六ツ星祭について

 11月3日(水)文化の日に本校で六ツ星祭を開催いたしました。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で保護者のみの学校参観とオンライン参観の2つの参観方式でした。今年度のテーマは「コロナに負けるな!みんなで輝く六ツ星祭2021」。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの発令があり、学校生活において多くの制限がある中でしたが、生徒一人一人が自分たちの準備してきたもの、学習してきた内容を存分に発揮できた一日となりました。テーマのとおり、みんなが負けずに輝くことができたように思っています。
以下、生徒の感想を一部紹介いたします。
「コロナ禍でたくさんの活動が限られている中で例年とは違う形の文化祭となったが仲間との協力や楽しさをより実感できた。」
「普通科・専攻科が一緒に行事をできたことがよかった。」
「全部ではなかったが舞台発表を生で見ることができて本当によかった。」
「学校行事がなくなっていく中で、何より六ツ星祭を開催することができてよかった。」
 次回の六ツ星祭は2年後となります。今までのように多くの方々を招いて生徒一人一人さらには、学校全体や地域がより一層輝く六ツ星祭にしていきたいと思います。
 保護者の皆様には、生徒の活動のため多大なる御理解、御協力をいただけたこと感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 

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