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第5号 令和3年7月20日

学校便り 「昴(すばる)」
令和3年7月20日 第5号 通算第65号
東京都立文京盲学校 校長 木村利男

[設置学科]
普通科(高等学校に準ずる教育等)
専攻科(保健理療科・理療科)

「先生」と呼ばれる立場

進路主幹 田中 秀樹

  私たち理療(鍼灸マッサージ)師の世界では、施術担当者に対して患者様から「先生」と呼ばれる事が多いです。また施術者同士の間でも、互いを「先生」と呼び合う習慣が存在します。儀礼的で堅苦しいとの考えから、これを嫌う流れもありますが、まだまだ多くの場面で見受けられます。「先生」という言葉の意味を調べると、(1)学校の教師、(2)学識の高い人や自身が支持する人や先に生まれた人への敬称、(3)親しみを込めたからかいなど、様々なかたちで使われています。医療職種である理療業界で、「先生」という呼称が習慣化している背景には(2)の意味合いが大きいのだと感じます。
 理療の職務は、専門技術を通して他者を癒やし治す事、時として対人援助を提供する事です。施術者へ求められる資質は知識・技術だけでなく、全人的な信頼を患者様からいただける人格です。そうでなければ、自分の身体を施術者に委ねていく事はできません。
 学齢で理療科を卒業し鍼灸マッサージ師の資格を取得した私は、学校を卒業した途端に「先生」と呼ばれてビックリした記憶があります。母校の文化祭で教官室へ挨拶に伺ったら、担任であった恩師にそう呼ばれました。こうした事は、文京盲学校へ奉職した当時にもありました。教員養成課程で実技の指導を受け、臨床の手ほどきを、さらには実技の再試験まで受けさせていただいた恩師が、職員室で私の事を「先生」と呼んでくださったのです。どちらの恩師も、先の(2)の意味で「先生」と呼んでくださったのではない事は分かっていました。「早く、先生と呼ばれるに相応しい人財になりなさい。自身の職業と立場をしっかりと意識して生きていきなさい。」……と、温かい愛情と期待を込めたお声掛けだったのだと思います。
 進路指導を担当してきた私は、卒業生の方とお会いする機会が多くあります。オフィシャルな場面では、「○○先生」と呼ぶようにしています。学校を巣立ったばかりの方でも、すぐにその意図を察してくださいます。そして数年後には、本当に立派な施術者の「先生」として成長されています。また学校でも、オフィシャルな場面で卒業生の方たちと接点がある場合には、「先生」とお呼びするよう、若い教職員の方にはお願いしています。さらに、就業現場での見学や実習に際しては、実習生となる生徒の皆さんへも、指導にあたる現場の方たちを「先生」とお呼びするよう指示しています。これは実習生としての礼儀という事だけでなく、「先生」とお呼びする事でより素直で謙虚な気持ちになれるからです。
 希望する進路を実現するためには、どれだけよき方向に自分自身を成長させていけるのかだと思います。先生と呼ばれるに相応しい施術者を目指し、お互いに精進していきましょう。

<専攻科>

 外来の患者実習を6月23日から再開しました。予約数を制限し感染症対策を十分に行い、安全・安心な環境で施術できるように努めていきます。
 また、同日の6月23日に職業講話があり、新宿で訪問マッサージを開業されている先生の講話を聞く機会を得ました。講師の先生は10年間治療院で修行し全盲の先輩からあん摩の技術を教えてもらったそうです。「10年間の下積み経験が現在の会社の基礎となっている。身体に染み込ませた知識と技術は色褪せない。身体だけでなく、心のケアもしていける施術者になってほしい。」と熱いお言葉をいただきました。今後の進路選択に役立つ有意義な講話となりました。生徒の進路実現に結び付けていきます。 文責:伊藤 洋介

<保健給食部>

 本校の給食・寄宿舎食共に、素材のよく見える手作り調理を心掛け、カレーのルゥやデザート類も手作りしています。国内生産品の使用に最大限努め、旬の食材を積極的に取り入れています。給食では、生乳に近い自然の甘みが感じられる低温殺菌牛乳を使用しています。
 感染症対策として、食堂の座席を横・正面を避けた配置にしています。給食では、一部の生徒は教室で喫食し、専攻科と普通科の食堂への入室に時間差を設けています。寄宿舎でも食堂への入室時間をずらし、食堂入り口が密にならないよう工夫しています。
 食育では食の経験値を上げることを目標に、チャレンジ給食や世界の料理、日本各地の郷土料理、行事食、リクエスト献立を取り入れています。該当日には献立等の説明を行っています。
 感染症対策のため、給食や寄宿舎食の感想を聞く機会が少なく、楽しくお話をしながらの食事ができないのが残念ですが、「ごちそうさまです。」「おいしかったです。」とマスク越しに小声で話してくれる生徒さんの気持ちがとてもありがたいと感じています。
 これからも安全・安心でおいしい給食づくりを目指して、給食室一丸となって調理していきます。今後も給食・寄宿舎食への御理解・御協力をお願いいたします。  文責:栄養士 岡田

<東京2020パラリンピック競技大会について>

◎本校普通科在校生のパラリンピック参加決定
 本校普通科3年の木村由さんがパラローイング「PR3混合舵手つきフォア」の日本代表にて8月に行われる東京2020パラリンピック競技大会への出場が決まりました。混合舵手つきフォアとは、男女2名ずつの4名の漕手と舵取りを行う舵手の1名、合計5名が同乗します。
 上下肢の障害や脳性まひなどの肢体不自由、または視覚障害の選手でチームを組み、どのようなメンバーを組むのか誰がどの位置に乗るのかなどが勝敗を分ける鍵となります。PR3で使用するボートは一般のものと同じものです。
 木村さんは、8月27日(金)の予選に出場予定となっています。ぜひ応援よろしくお願いいたします。説明が足りないところが多くありますので詳しくは下記より御覧ください。  文責:石井陸 
https://www.jsad.or.jp/about/referenceroom_data/competition-guide_20.pdf 

◎文京盲学校卒業生のパラリンピック出場スケジュール(予定)
 高田 千明さん 陸上女子走り幅跳びT11クラス 8月27日(金)午前
 澤田 優蘭さん 陸上女子走り幅跳びT12クラス 8月29日(日)午前

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(特別支援教育コーディネーターまたは副校長)

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