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第4号 令和3年6月25日

学校便り 「昴(すばる)」
令和3年6月25日 第4号 通算第64号
東京都立文京盲学校 校長 木村利男

[設置学科]
普通科(高等学校に準ずる教育等)
専攻科(保健理療科・理療科)

「明徳を明らかにする」

学部主幹 伊藤 洋介

 今年の夏至は6月21日です。夏至は一年で最も昼が長く夜が短い日。東洋思想では、陽の力が最高に達した日とされています。この日から冬至までの間に陽の力が徐々に弱まり、陰の力が上昇していきます。陰陽の転換期は体調を崩しやすい時ですので、生活リズムを整えて、これからの夏を乗り切っていきましょう。 さて、私が受けもつ専攻科臨床実習の話です。授業は、患者施術に加え、臨床室の清掃や消毒活動も行っています。活動を進める上で生徒は、「ベッドの消毒をしますね。」「私は掃除機をかけます。」「じゃあ僕は手ぬぐいを洗いますよ。」などと声を掛け合い、動いています。あん摩施術で使用する手ぬぐいはクラスごとに手洗いで洗濯をしています。洗い場は一つのため、生徒が並ぶこともあります。そんな時、手ぬぐいを洗っている生徒の一人が、「〇〇さんのクラスの手ぬぐいも洗っておきますよ。」とさりげない一言で対応してくれていました。一人一人が自分のできることを探し、相手の事を考えて行動している様子は、見ていて気持ちがよいものです。自分はなぜ清掃をしているのか。何のために、誰のために消毒をしているのか。一人一人が考えることで流れるような時間が成立しているのだと思います。 「言われたことをやるのか、それとも言われたことを自分で考えてやるのか。」 「人に動かされるのか、それとも自ら動くのか。」 明徳とは、自分のもつ良心や、正義感、道徳観、知性、感性を総動員し、正しい価値観で物事を判断し体現していくことです。視覚に障害が有る無しに関わらず、人として必要な他者を思いやる気持ちを表現していくことが大切だと、生徒の行動をみて実感しました。 知識を積み上げていく学習はもちろんですが、他者に貢献する気持ちを大切にし、自分から取り組む意欲を高くもち、見通しをもって粘り強く学ぶことができる盲学校でありたいと考えます。生徒の学びがい、保護者の通わせがい、地域の方の応援しがいのある文京盲学校を目指し、日々の教育活動に取り組んで参りますので、今度とも御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

<下駄箱のふたについて>

 本校の下駄箱には透明なアクリルのふたが付いています。靴を履き替えるとき、眼や頭等に当たりそうで危ないので外してほしいという意見がありました。校内で話し合い、撤去するのではなく、開けたらすぐに閉める指導をすることとし、下校時など生徒が大勢いる場面では注意して指導していくこととしました。  盲学校として必要な配慮をしていくべきですが、高等部である本校は卒業後を考えて過度に配慮しすぎないことも重要であると考えています。安全第一で指導してまいりますので、御理解、御協力をお願いいたします。

<専攻科>

 6月に入り、専攻科の学習は本格化してきています。 1学年の解剖学では、骨格模型や図譜を用いて体の各部位(施術を行う上で目印となる部位の骨の名称)を学習しています。体のしくみへの興味関心を高めようという試みとして、骨の名称の由来などの紹介を含めた指導を行っています。体のしくみへの理解を深めることで、あん摩やはりの施術への土台作りにつながります。 また、4月、5月で学習した内容の習熟度を確認するために試験を実施しました。各科目の重要事項を整理し、理療・保健理療の施術に役立つように学習を進めてほしいと思います。 気候の変動が激しく、体調管理が難しい季節です。脱水症状にも気を付けながら学習を進めてほしいと思います。  文責:尾崎

<寄宿舎>

 昨年の6月は学年ごとの分散登校が始まり、まだまだ手探りの寄宿舎生活を送る中で、行事の見通しもつかない状況でした。今年は、状況に応じて変更の可能性はありますが、実施していく方向で進んでいます。 寄宿舎は、異年齢の舎生が小グループで集まる「青年期活動1」「青年期活動2」という活動を行っています。友達の好きなことをみんなでやってみたり、特技を披露したり、テーマトークで意外な一面がみえたり、将来を語り合ったり…舎生は様々な活動内容から学ぶことも多いようです。月1回、1時間程度ですが、舎生同士の関係性も深まる、人気の活動となっています。  文責:櫛田

<生徒指導部> 令和3年 校内弁論大会

 5月27日(木)に校内弁論大会を行いました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として弁士は放送で、聴衆については各ホームルーム教室で聴くという形で実施しました。昨年度は普通科のみでの開催でしたが、今年度は普通科3名、専攻科3名の計6名の生徒が弁士となりました。普段は科を超えての関わりが少ないですが弁士一人一人が自分自身の経験や思い、趣味や嗜好などを思い思いにまとめ、伝え、聴くことができました。自分自身のことを人前で話すのはとても勇気がいることです。各学年代表になった弁士は、全校生徒の前で話すということでとても緊張している様子でしたが、弁論を始めると弁士全員が聴衆にしっかりと思いを伝えることができていました。本当にお疲れさまでした。今回校内弁論大会で優勝した生徒は、学校代表として関東甲信越地区盲学校弁論大会に出場します。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で各学校にてオンラインでの実施となりますが、精一杯頑張ってくれることを期待しています。  文責:石井陸

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