公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会
みびょうち療院
北村博一さん 平成16年度理療科卒
公益社団法人として会員数1万2千名を誇る業団体。北村さんは学校卒業とともに職員として入職した。この団体が運営する「みびょうち療院」での診療のかたわら、師会の運営業務を担ってきている。
『多様な業務の中で』
仕事内容は、主に「みびょうち療院」での業務です。鍼灸マッサージの自費診療に加え、医師同意書にもとづく保険診療、患者さん宅への往療も行っています。時に事務所での業務や、全国大会などの行事には手伝いをします。また師会が東京しごと財団からの視覚障害者委託訓練事業を行っており、研修生への実技指導にあたることもあります。施術者として臨床の現場に立ち、師会職員として業態の動きを毎日感じていられるということに感謝しています。
『三療の本質は、患者さんと一対一で臨む治療の中に』
全鍼師会の活動方針に「保険診療の普及」というのがあります。私が担当させていただいている患者さんからも、自費診療から保険診療への切り替えの相談を受けたりもします。保険診療というと接骨院で行われている、一人の施術者にベッドを数台並べて、午前中に50人の患者さんをこなすような光景を思い浮かべる方も多いと思います。私はこれまでの経験から、鍼灸マッサージの治療は患者さんと一対一で取り組むべきだと考えています。保険診療は30分ベースであれば経営的にも決して不可能ではないと思いますし、患者さんにもっと踏み込んで、内なるメンタルな部分もくみ取っていける。今頑張っている人たちを、弱音が言えないでいる人たちをフォローしていけると思うのです。自費診療と保険診療の混在性を未来にどうつなげていけるのかが課題ですが、それ以外にも理学療法士や看護師の方達もマッサージ技術を学ぶようになってきています。誰にどの治療を任せるのかは、患者さんが選択していくものです。だから、私たちも研さんを絶えず続けていく必要があると思うのです。
『社会活動を通して三療を広めていく』
師会の活動以外でも震災仮設住宅や、スポーツイベントのマッサージボランティアを計画しています。1ヶ月に1、2度は行っています。中には、治療院を運営されている方もいらっしゃいます。現地へ行ってマッサージをやっていることが、現地の人たちと触れ合いが楽しいし、よかったと思えるのです。社会活動を通してネットワークが広がれば、最高の人生だと思います。